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飽和蒸気圧は, Antoine の式より求める. 
ここで,  は飽和蒸気圧,  は温度, 
 である. 
 は Antoine 係数である. それらの値は化学便覧改訂 4 版から得る. 
化学便覧改訂 4 版では, 圧力の単位が mmHg, 温度の単位が C であ
るので, 単位の換算項が付加されている. 
Table D.1:
水, アンモニアの Antoine 係数
|   | 
A | 
B | 
C | 
| HO(l) | 
7.9186968 | 
1636.909 | 
224.92 | 
| HO(s) | 
8.184254 | 
1791.3 | 
238.1 | 
| NH(s) | 
9.96382 | 
1617.907 | 
272.55 | 
 
 
任意の温度が与えられた場合, 凝縮量は飽和蒸気圧と分圧の差として見積もるこ
とができる. 
硫化アンモニウムの生成反応 
の圧平衡定数は, 
である. 圧平衡定数を用いることで, 任意の温度に対する
アンモニアと硫化水素のモル比の積を求めることができる. 
飽和蒸気圧と潜熱はクラウジウス・クラペイロンの式, 
で関係づけられる. この式を  の式としてまとめなおすことで, 
潜熱は以下のように与えられる. 
但し  は凝縮成分に対する気体定数である. 
Antoine の式を代入すると, 
である. 
硫化アンモニウムの生成反応 
において, NHSH のエントロピーと NH と HS の
エントロピーの差が, 反応に伴うエントロピー変化に対応する. 
NHSH のモルエントロピーは, 
である. ここで 
 
, 
 は
 NH と NS の標準化学ポテンシャル,  
 
, 
 はそれに
 対応するエントロピー, 
  は react_NH4SH の反応式の
圧平衡定数である. NH と HS のモルエントロピーの和は, 
react_NH4SH_left と react_NH4SH_right の差
が反応のエントロピー変化に相当する. モル当たりの反応熱は, 
である. NHSH 生成反応の圧平衡定数を代入すると, 
である. 
SUGIYAMA Ko-ichiro
2011-06-14