 
 
 
 
 
   
地球大気における湿潤対流の定式化同様, 大気の乾燥成分と湿潤成分の
分子量の差は密度の式には考慮するが, 熱の式には考慮しないような
系を考える. この系では大気の熱エネルギーは乾燥大気の熱エネルギーで
決まることになる. このような系では温位  が保存量として使える.
 が保存量として使える. 
 , 圧力
, 圧力  , 風速
, 風速  , 密度
, 密度  で表現する場合
 で表現する場合
水平鉛直 2 次元大気の状態を
気温  , 圧力
, 圧力  , 風速
, 風速  , 密度
, 密度  で表現する場合, 
基礎方程式系は以下のようになる.
 で表現する場合, 
基礎方程式系は以下のようになる. 
 ,
,  ,
,  は単位質量当たりの乾燥成分の
気体定数, 定圧比熱, 密度であり,
 は単位質量当たりの乾燥成分の
気体定数, 定圧比熱, 密度であり, 
 は非断熱加熱,
 は非断熱加熱,  は気体成分の混合比,
 は気体成分の混合比, 
 は雲水混合比,
 は雲水混合比, 
 は雨水混合比である.
 は雨水混合比である. 
 は, 凝縮成分の数だけ存在する.
 は, 凝縮成分の数だけ存在する. 
 ,
,  ,
,  を付けた項はそれぞれ
拡散項, 生成消滅項, 落下項を意味する.
 を付けた項はそれぞれ
拡散項, 生成消滅項, 落下項を意味する. 
密度の式には凝縮成分の混合比が考慮されている. 
 ,
,  ,
,  はそれぞれ, 
凝縮性気体, 雲水, 雨水の混合比を意味する. ここで乾燥成分の分圧
 はそれぞれ, 
凝縮性気体, 雲水, 雨水の混合比を意味する. ここで乾燥成分の分圧  は.
 は. 
|  |  |  | |
|  |  | ||
|  |  | ||
|  |  | 
 は分子量を表し, 凝縮成分の体積は無視できるものと見なした. 
(A.9), (A.10) 式より,
 は分子量を表し, 凝縮成分の体積は無視できるものと見なした. 
(A.9), (A.10) 式より, 
|  | 
 は
 は 
 の関係を満たす.
 の関係を満たす. 
温位は乾燥断熱状態における保存量である. 
乾燥断熱状態を表す熱力学の式は
 は温度,
 は温度,  は圧力,
 は圧力, 
 は単位質量当たりの比熱,
 は単位質量当たりの比熱,  は比容である. 
(A.14) 式の
 は比容である. 
(A.14) 式の  は, 
理想気体の状態方程式を用いると,
 は, 
理想気体の状態方程式を用いると, 
 は分子量,
 は分子量,  は気体定数である. 
(A.14) 式に (A.15) 式を代入し整理すると,
 は気体定数である. 
(A.14) 式に (A.15) 式を代入し整理すると, 
 と
 と  は共に
 は共に  に依存しない. 
一般に
 に依存しない. 
一般に  は
 は  の関数であるが,
 の関数であるが, 
 を定数とみなすと,
 を定数とみなすと, 
 , 圧力
, 圧力  , 風速
, 風速  , 密度
, 密度  で表現する場合
 で表現する場合
水平鉛直 2 次元大気の状態を
温位  , 圧力
, 圧力  , 風速
, 風速  , 密度
, 密度  で表現する場合, 
基礎方程式系は以下のようになる. 
CReSS(坪木と榊原, 2001)では, 
この基礎方程式を用いている.
 で表現する場合, 
基礎方程式系は以下のようになる. 
CReSS(坪木と榊原, 2001)では, 
この基礎方程式を用いている. 
|  | (A.20) | 
 は
 は
 は,
 は, 
|  | (A.27) | 
 は
 は
|  | (A.28) | 
 と
 と  はそれぞれ単位質量当たりの
乾燥成分の定圧比熱と定積比熱であり,
 はそれぞれ単位質量当たりの
乾燥成分の定圧比熱と定積比熱であり, 
 という
関係にある.
 という
関係にある. 
圧力方程式は密度の式と連続の式を組み合わせることで得られる. 
まず密度を 
 として
 として  
 の全微分を求める.
 の全微分を求める. 
|  | 
|  | 
 , 無次元圧力
, 無次元圧力  , 風速
, 風速  , 密度
, 密度  で表現する場合
 で表現する場合
水平鉛直 2 次元大気の状態を
温位  , 無次元圧力
, 無次元圧力  , 風速
, 風速  , 密度
, 密度  で表現する場合, 
基礎方程式系は以下のようになる. 
連続の式 (A.3) と状態方程式 (A.21) 
を用いることで得られる圧力方程式を利用する. 
Klemp and Willhelmson (1978)では, この基礎方程式を用いている.
 で表現する場合, 
基礎方程式系は以下のようになる. 
連続の式 (A.3) と状態方程式 (A.21) 
を用いることで得られる圧力方程式を利用する. 
Klemp and Willhelmson (1978)では, この基礎方程式を用いている. 
 は,
 は, 
 は
 は
|  | (A.39) | 
運動方程式の圧力勾配は, 温位とエクスナー関数を用いることで得られる. 
|  |  |  | |
|  |  | ||
|  |  | ||
|  |  | ||
|  |  | (A.40) | 
圧力方程式は密度の式と連続の式を組み合わせることで得られる. 
まず密度を 
 として
 として  
 の全微分を計算する.
 の全微分を計算する. 
準圧縮方程式系では, 変数を基本場と擾乱場に分離し, 線形化を行う.
変数を基本場と擾乱場に分離し, 基本場は静水圧平衡にあると仮定する. 
この時, 変数は以下のように書ける. 
|  | |||
|  | |||
|  | |||
|  | |||
|  | |||
|  | |||
|  | |||
|  | 
 とし, 
基本場の風速
 とし, 
基本場の風速  と雲粒混合比と雨粒混合はゼロと見なした. 
そして基本場には静水圧平衡,
 と雲粒混合比と雨粒混合はゼロと見なした. 
そして基本場には静水圧平衡, 
|  | (A.44) | 
水平方向の運動方程式を基本場と擾乱場に分離する. 
|  | 
 方向に
は変化しないことを利用すると, 以下の擾乱成分の式が得られる.
 方向に
は変化しないことを利用すると, 以下の擾乱成分の式が得られる.
 は,
 は, 
鉛直方向の運動方程式を基本場と擾乱場に分離する. 
|  | 
|  | 
|  |  |  | |
|  |  | 
 は,
 は, 
|  |  |  | |
|  |  | ||
| ![$\displaystyle \left[
\frac{1/M_{d}}{1/M_{d} + \sum q_{v}/M_{v}}
-
\left\{
\frac...
...m q_{v}/M_{v})^{2}}
(1 + \sum q_{v} + \sum q_{c} + \sum q_{r})
\right\}
\right]$](img210.png) | |||
|  |  | 
|  |  |  | |
|  |  | 
|  |  |  | |
|  |  | 
|  | (A.48) | 
|  | (A.49) | 
 の式は以下のように書ける.
 の式は以下のように書ける. 
|  |  |  | |
|  | 
Klemp and Wilhelmson (1978) では, 非断熱的な加熱による熱膨張と
凝縮に伴う圧力変化を無視し, 
|  | 
圧力方程式に関して, 平均成分と擾乱成分に分ける. ただし, 擾乱成分は平均成
分よりも十分小さいという仮定を用い, 
 ,
, 
 とする.
 とする. 
|  | 
 を平均成分と擾乱成分に分離して 2 次の微小項を
無視すると,
 を平均成分と擾乱成分に分離して 2 次の微小項を
無視すると, 
 と等しくなることを利用している.
 と等しくなることを利用している. 
|  |  |  | |
|  |  | ||
|  |  | ||
|  |  | (A.50) | 
 ,
,  
 であることを用いた. 
平均成分は
 であることを用いた. 
平均成分は  にのみ依存することを利用し, また 2 次の微小項を無視する.
 にのみ依存することを利用し, また 2 次の微小項を無視する. 
|  | 
 を理想気体の状態方程式で変形してまとめると, 
圧力の擾乱成分の時間発展方程式が得られる.
 を理想気体の状態方程式で変形してまとめると, 
圧力の擾乱成分の時間発展方程式が得られる. 
|  |  |  | |
|  |  | ||
|  |  | ||
|  |  | 
|  | (A.51) | 
熱の式を平均成分と擾乱成分に分離する. 
|  | 
 の関数であることを用いると,
 の関数であることを用いると, 
|  | (A.52) | 
凝縮成分の混合比の保存式についても, 変数を平均成分と擾乱成分に分離する. 
熱の式と同様に, 以下のように書ける. 但し, 生成項, 落下項は擾乱成分のみ
存在すると仮定する. この仮定は平均場では凝縮は生じていないと考えることに
等しい. 
|  | (A.53) | ||
|  | (A.54) | ||
|  | (A.55) | 
準圧縮方程式系は以下のようにまとめられる. ただし, 擾乱を示す  は
除いた.
 は
除いた. 
 
 
 
 
