: 5 放射
 : DCAPM4 第1部 数理モデル化
 : 3 支配方程式・力学過程
                  
  
3
33
3
33
大気大循環モデルにおいては
積雲を様に表現するだけの分解能を持たないので, 
雲の発生する条件
並びに雲が大気大循環に与える影響については
何らかの方法で評価せざるを得ない. 
雲が発生する条件および
雲が大気大循環に与える影響のうちの
熱・運動量輸送効果については4,
       
大規模場の速度や熱力学的諸量から評価することが多い. 
この評価方法は一般に積雲パラメタリゼーションと呼ばれ, 
特に以下の型のものが良く用いられる. 
- 湿潤対流調節
 
- クオスキーム
 
- 浅い積雲5                    				
 
- 荒川シューバートスキーム6            
 
また, そもそも大気が過飽和状態にあれば降水が起こる. 
これを大規模凝結という. 
以下では各種パラメタリゼーション並びに大規模凝結について解説する. 
  
6
66
連続した 2 つのレベルの間の層において, 次の条件が
満たされる時調節を行う.
- 温度減率が湿潤断熱減率よりも大きい
 
- 飽和もしくは過飽和.
 
上記の条件 (1) に関して, 
  | 
  | 
  | 
(31) | 
 
の条件を, 「水蒸気が少ない」という近似をふんだんに
用いて書きかえると
  | 
  | 
  | 
(32) | 
 
となる.
上記の条件 (2) に関しては, そのまま使う.
これらを用いて温度と比湿を調節するのが dcpam のデフォルトの
湿潤対流調節スキームである.
以下, スキームの定式化の説明を行う.
(差分法と混ざった話になってしまっているので, あとでちゃんと整理が
必要だとおもう).
比湿と温度を, 
 から 
 へ
調節するものとする.
条件式は以下の通りである.
  | 
  | 
  | 
(35) | 
 
  | 
  | 
  | 
(36) | 
 
解は以下のようになる(で, 良いんだっけかな?)
 が一定の場合,
全部 
 を使って書き換えた.
更に変形すると
これより, 
 となる条件は
  | 
  | 
  | 
(53) | 
 
 の式をどのような形にするのが best なのかは
よくわからない.
とりあえず, 扱いが容易かなと思った分母を全部払った
形にしてみる.
  | 
  | 
  | 
  | 
  | 
  | 
  | 
(54) | 
 
この式の両辺に 
 をかける.
  | 
  | 
  | 
  | 
  | 
  | 
  | 
(55) | 
 
更に 
 をかければ
  | 
  | 
  | 
(56) | 
 
近似をせずに, 分母を払った形の式をそのまま離散化する.
|   | 
  | 
![$\displaystyle - \frac{R_d}{p_{k-1/2}} T_{k-1/2}^2 (1-q_{k-1/2})
\left[ p_{k-1} ...
...k-1}) - p_{k} (1-q_{k}) \right]
+ c_p (1-q_{k-1/2}) T_{k-1/2}
(T_{k-1} - T_{k})$](img164.png)  | 
  | 
|   | 
  | 
  | 
(57) | 
 
ここで, 
とすると(これ, 本当は良くないのだろう. 
 については
Arakawa and Suarez (1983) の正しい補間式を使うべきなような気がする.
しかし, agcm5 時代に, サブルーチンの引数を変えるのが嫌だったので
こうしている. dcpam ではサブルーチン内で 
 を作る
のでも良いかもしれない), 
潜熱が大文字になっちゃった...
最初から 
 にしておくべき.
 などを使って書き換える.
ここで, 以下の変数達を導入する.
  | 
  | 
  | 
(62) | 
  | 
  | 
  | 
(63) | 
  | 
  | 
  | 
(64) | 
  | 
  | 
  | 
(65) | 
  | 
  | 
  | 
(66) | 
  | 
  | 
  | 
(67) | 
  | 
  | 
  | 
(68) | 
  | 
  | 
  | 
(69) | 
  | 
  | 
  | 
(70) | 
  | 
  | 
  | 
(71) | 
  | 
  | 
  | 
(72) | 
  | 
  | 
  | 
(73) | 
  | 
  | 
  | 
(74) | 
 
これらの記号を用いて, 先程の式を書き換えると以下のように
なる.
この式をまともに解くことは大変なので, やむをえず近似する.
 が 2 つ以上かかった項を無視することにする.
おそらく「1 次近似」と言って良いのだろう, とは
思っているが, この近似の妥当性に関して現段階ではまったく
検討していない.
式を展開しつつ「2 次以上の項」を順次無視していくと, 以下のようになる.
更に第 1 項を展開する.
この式を 
 の項と 
 の項に
まとめていく. まずばらす.
ついで, まとめる.
ここで, 以下のように変数をまとめる (前の 
 とはちゃんと対応
しているんだろうね???).
これより, 
  | 
  | 
  | 
(84) | 
 
となる.
ここで, 
 より得られる
を代入すると
  | 
  | 
  | 
(87) | 
 
これを, 
 について解けば
  | 
  | 
  | 
(88) | 
 
- ...
熱・運動量輸送効果については4
 
- 
 
- ... 浅い積雲5
 
- 
                 dennou モデルには Tiedtke による, 係数を増やす形のもの
                 がある.
 
- ... 荒川シューバートスキーム6
 
- 
                 dcpamには現在存在しない.
 
 
 
   
 : 5 放射
 : DCAPM4 第1部 数理モデル化
 : 3 支配方程式・力学過程
Yasuhiro MORIKAWA
平成19年9月10日