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dcpam インストールガイド

動作環境

このプログラムは以下のコンパイラでの動作を確認しています。

コンパイルに必要なライブラリ

dcpam3 のインストール・実行するためには以下のソフトウエアを 事前にインストールしておく必要があります.

netCDF (バージョン 3.5.0, 3.6.0)

debian を使用していてインストールパッケージを利用する場合

ソースからコンパイルする場合

gt4f90io (バージョン 20050720 のみ)
ソースからコンパイルする場合
ISPACK (バージョン 0.71)

debian を使用していてインストールパッケージを利用する場合

ソースからコンパイルする場合

spmodel (バージョン 0.4.0-2)

debian を使用していてインストールパッケージを利用する場合

ソースからコンパイルする場合

CVS から最新版を取得して, ドキュメントを生成するためには以下の ソフトウェアを事前にインストールしておく必要があります. (tar.gz パッケージには既にドキュメントが同梱しています)

コンパイルの手引き

TGZ パッケージの展開

適当な作業ディレクトリでソースアーカイブを展開します. ソースは dcpam3-バージョン というディレクトリに展開されます.

$ tar xvzf dcpam3-current.tgz

Fortran コンパイラの指定

環境変数 FC に使用する Fortran コンパイラを指定してください. 以下は, 利用するコンパイラが frt の場合です.

最適化やデバッグのためのオプションは環境変数 FFLAGS に設定してください. 以下は frt の高速化と 並列化のためのオプションです.

Config.mk の作成

展開されたディレクトリに移動し, ./configure を実行します. コンパイルに必要なライブラリでインストールした各ライブラリを 以下のオプションに指定する必要があります.

--with-ispack=ARG
ispack ライブラリ (*.a) のファイル名
--with-netcdf=ARG
netcdf ライブラリ (*.a) のファイル名
--with-gt4f90io=ARG
gt4f90io ライブラリ (*.a) のファイル名
--with-spml=ARG
spmodel ライブラリ (*.a) のファイル名

例えば以下のように指定します. このコマンドによって Config.mk ファイルが生成されます.

$ ./configure --with-ispack=/usr/local/lib/libisp.a \
              --with-netcdf=/usr/local/lib/libnetcdf.a \
              --with-gt4f90io=/usr/local/lib/gt4f90io/lib/libgt4f90io.a \
              --with-spml=/usr/local/lib/spml/lib/libspml.a \

Config.mk ファイルが生成されると同時に, config.cache ファイルが作成され, オプションの情報が保持されます. 自動的に config.cache が読み込まれるため, 再度 ./configure する際は前回のオプションが引き継がれます. もしも前回以前のオプション設定を 破棄したい場合には以下のコマンドを用いてください.

$ make distclean

Debian GNU/Linux で Fujitsu Fortran を利用している場合には, Config.cache.debian-ffc* を config.cache に移動して ./configure コマンドを実行するだけで自動的に ライブラリの位置が設定されます.

$ cp Config.cache.debian-ffc5 config.cache
$ ./configure

なお, インストール先やコンパイルのオプションを変更したい場合は, 以下のように --help オプションをつけることで, 指定可能なオプションリストが表示されます.

$ ./configure --help

主なオプションに関しての説明です.

--prefix=ARG
ARG にライブラリやモジュール, 実行ファイルのインストール先の ディレクトリのプレフィックスを指定します. デフォルトは /usr/local/dcpam3 です.
--libdir=ARG
ARG にライブラリのインストール先のディレクトリを指定します. デフォルトは /usr/local/dcpam3/lib です.
--includedir=ARG
ARG にモジュール情報ファイルのインストール先のディレクトリ を指定します. デフォルトは /usr/local/dcpam3/include です.
--bindir=ARG
ARG に実行ファイルのインストール先のディレクトリを指定します. デフォルトは /usr/local/dcpam3/bin です.
--with-docdir=ARG
ARG にドキュメントファイルのインストール先を指定します. デフォルトは /usr/local/dcpam3/doc です.
--with-fc=ARG
Fortran コンパイラを指定します. 環境変数 $FC よりも優先されます. config.cache に設定されたものを上書きする際に利用してください. (一度 config.cache に Fortran コンパイラが指定されると, 環境変数 $FC は無視されます).
--with-fflags=ARG
Fortran のデバッグや最適化のオプションを指定します. 環境変数 $FFLAGS が指定される場合, このオプションで 与えられるものも含め, 全てコンパイル時のオプションとして指定されます. (重複に注意してください).
--with-dcpam_lib_name=ARG
ARG に dcpam3 のライブラリ名を指定します. ライブラリ名は lib<ARG>.a となります. デフォルトは dcpam3 であり, その際のライブラリ名は libdcpam3.a となります.
--with-dcpam_suffix=ARG
ARG にはインストールディレクトリ, ライブラリ名, 実行ファイルの末尾につける接尾語を指定します. 例えば, 他が全てデフォルトの設定で ffc5 と指定すると, インストール先のディレクトリのプレフィックスが /usr/local/dcpam3-ffc5 , ライブラリ名が libdcpam3-ffc5.a 等のようになります.
--with-lang_conform_check=ARG
ARG に言語規格を指定することで, コンパイル時に言語規格の チェックを行うよう, オプションを追加します. 現在 "95" のみ指定可能です. コンパイラによっては指定できません.
--enable-debug
このオプションを指定することで, コンパイル時や実行時にデバッグメッセージ を出力するオプションを追加します. コンパイラによっては指定できません.

Config.mk の編集

上記の ./configure だけで設定できなかった部分に関しては, Config.mk を手動で編集して設定して下さい.

以下に主要な設定項目を挙げます. 詳しくは Config.mk を見てください.

FC
Fortran コンパイラ
SYSFFLAGS
コンパイル時・リンク時に必要なフラグ (Fortran コンパイラ実行時に必要なオプション)
SYSLDFLAGS
リンク時に必要なフラグ
SYSLDLIBS
リンク時に必要なライブラリ
DCPAMDIR
Config.mk が置いてあるディレクトリ
prefix
dcpam3 のライブラリ, モジュール, 実行ファイル, ドキュメントのインストールディレクトリ
MODEXT
モジュール情報ファイルの拡張子
MODS
make clean 時に使用するモジューリ情報ファイル指定
AR
アーカイブコマンド

ソースコードのコンパイル

カレントディレクトリで以下のコマンドを実行してください.

$ make

ドキュメントの生成

マニュアルとコードリファレンスのコンパイルはカレントディレクトリ において, 以下のコマンドを実行してください. dcpam3 の TGZ パッケージ から入手する場合には既に生成済みです.

$ make doc

テストプログラム実行の手順

practice ディレクトリに移動してください.

$ cd practice

そしてそのディレクトリに置いてある init.nml を編集してください. このファイルが初期値生成のための NAMELIST ファイルです. 編集が終わったら, 以下のコマンドで初期値データ init.nc を生成してください.

$ make init

次に, dcpam.nml を編集してファイルの出力間隔や出力する 変数の指定を行ってください. 最後に以下のコマンドでプログラムが実行されます.

$ make run

なお, エラーは dcpam.log に出力され, 通常のメッセージは標準出力に 出力されます. 通常のメッセージをファイルに出力する場合には

$ make run > dcpam.msg

としてください. なお, 現在の設定ではデバッグ用メッセージも 全て dcpam.log に出力されるようになっています. (サイズが大きい ので注意してください).

結果は result ディレクトリ以下に出力されます.

システムへインストールする場合

もしもシステムに dcpam3 のライブラリ, モジュール, 実行ファイルを インストールする場合は, カレントディレクトリで以下のコマンドを 実行してください. システム領域にインストールする場合には管理者権限が 必要です.

# make install

ドキュメントをインストールする場合には以下のコマンドを実行します.

# make install-doc

$Id: INSTALL,v 1.5 2006/01/18 08:24:38 morikawa Exp $