日本語環境の構築

  1. 概要
  2. 日本語表示環境
  3. man の日本語表示化
  4. less の日本語表示化
  5. emacs での日本語入力

1.概要

  • man で日本語マニュアルを見ることができるようにします。
  • less で日本語でかかれたファイルを見ることができるようにします。
  • emacs にて日本語が書けるようにします。


  • 2. 日本語表示環境

    [2.1] kon と X Windows System

    日本人ですから、日本語も使用できる環境でPCを動かしたいのですが、 そのままでは日本語の表示はできません。 さしあたって、Debian GNU/Linuxで日本語表示可能な環境を作るには konX Windows System を使用します。


    [2.2] kon

    kon はコンソール上(はじめに出てくる黒い画面)で日本語を使用できるようにする ものです。

    [2.2.1] パッケージの確認

    以下のパッケージがインストールされていることを確認してください。

    確認の仕方は dpkg の使い方 を参照のこと。

    [2.2.2] 使用方法

    使用方法は簡単です。

    $ konEnter
    

    とするだけです。あとは下にある、man,less,kterm の説明に 従えば日本語表示が可能です。

    ちなみに、kon を終了するときは、

    $ logoutEnter
    

    とすることで、元の日本語表示ができないコンソール画面に戻ります。 (ちなみに kon の最中は X Windows System を立ち上げることはできないので注意してください。)



    [2.3] X Windows System

    もう一つは、すでに先ほど設定した X Windows System での表示です。 まずは X を立ち上げてください

    $ startxEnter
    

    [2.3.1] kterm 使用

    X が立ち上がったらターミナル(コンソール上でやったような操作を行うプログラム) を起動させます。とりあえず、日本語表現のできる kterm を起動させます。 (もちろん、パッケージ「 kterm 」が入っていなければ起動できませんが…)

    [2.3.2] 日本語表現可能なように kterm を立ち上げる

    kterm は日本語表現可能なのですが、このままでは 日本語表示不可能です。日本語表示が可能なように kterm を立ち上げるには、立ち上げたターミナルに以下のコマンドを打ち込んでください。

    $ kterm -km euc &Enter
    

    すると、もう一つ kterm が立ち上がります。 そちらの kterm では漢字コード euc での日本語表示が可能になります。 (他の漢字コードも使用できますが、Linux 上では euc が一般的です。)

    また、

    $ kterm -km euc -sb &Enter
    

    とすると、スクロールバーのついた kterm を起動できます。

    あとは下の説明に従って、日本語表示環境を整えてください。


    3. man の日本語表示化

    [3.1] パッケージの確認

    以下のパッケージがインストールされていることを確認します。

    確認の仕方は dpkg の使い方 を参照のこと。


    [3.2] ~/.bash_profile , ~/.bashrcの編集

    日本語を表示させるには、 環境変数 LANG をしかるべく設定する必要があります。 ~/.bash_profile , ~/.bashrcを編集して、 デフォルトの環境変数 LANG を日本語(ja_JP.ujis)に変えます。

    具体的には、

    $ vi .bash_profile
    
    とし、ここの一番下に以下の行を追加します。
    export LANG=ja_JP.ujis
    
    追加したら変更を反映させます。
    $ source ~/.bash_profile
    (変更した直後に 1 回やるだけで良い)
    

    正しく反映したかどうか確認する場合、

    $ man man
    
    日本語で man の内容が表示されれば良し。

    同様に、

    $ vi .bashrcEnter
    
    とし、同じ内容のものを追加しておきます。

    4. less の日本語表示化

    [4.1] パッケージの確認

    以下のパッケージがインストールされていることを確認します。

    確認の仕方は dpkg の使い方 を参照のこと。

    簡単です。日本語の含まれたファイルを見てみましょう

    $ less ファイル名Enter
    

    日本語を見ることができたらOKです。



    5. emacs での日本語入力

    現状では日本語を見ることはできても、編集することはできません。 エディタ emacs で日本語を書くことができるようにしましょう

    [5.1] パッケージの確認

    以下のパッケージがインストールされていることを確認してください。

    確認の仕方は dpkg の使い方 を参照のこと。


    [5.2] ~/.emacs の編集

    emacs で日本語を読み書きするには .emacs を編集する必要があります.

    $ vi ~/.emacsEnter
    

    以下のエントリを追加してください。

    (set-language-environment "Japanese")
    (set-default-coding-systems 'euc-japan)
    (set-terminal-coding-system 'euc-japan)
    (set-buffer-file-coding-system 'euc-japan)
    (set-input-method 'japanese-canna)
    (set-default-font "-*-fixed-medium-r-normal-*-16-*-*-*-*-*-fontset-standard")
    (progn (load-library "canna" ) (canna) )
    (global-set-key "\C-o" 'canna-toggle-japanese-mode)
    (setq line-number-mode t )
    (set-keyboard-coding-system 'euc-japan)
    (setq make-backup-files nil)
    
  • 7 行目
    日本語変換サーバとして canna を使う場合にのみ必要とされます。
  • 8 行目
    canna で日本語入力と英語入力を切り替えるとき、 従来通りの 「 Ctrl + o 」 で変換できるようにするための行です。 この変換方法は canna を使用する際に覚えておいてください。

  • 9行目
    emacs 使用の際に現在のカーソルのある行数を示す設定です。
  • 10行目
    Windowsなどからtelnetを利用してLinuxコンピュータに入り、emacs を使用する際に、 キーボードから入力した文字が文字化けを起こさないようにする為のものです。
  • 11行目
    emacs でファイルを保存したときにバックアップファイルを作らなくする設定です。 (デフォルトではオリジナルのファイル名の後に「 ~ 」がついたバックアップファイルが 作成されます。)

    • この下の3行は必ずしも必要ではないので、必要がなければ書き込む必要はありません。


  • [5.3] ~/.emacs と ~/.bash_profile と ~/.bashrc を /etc/skel にコピー

    これらの設定を他の一般ユーザーがわざわざ行うのは面倒なので、 これらの設定が一般ユーザーにも適用されるようにします。 /etc/skel 以下にこれらの設定ファイルを置くと、アカウントが作成される際に 自動的に各ユーザのホームディレクトリにコピーされ、そのまま一般ユーザーの設定になります。

    で、作成した ~/.emacs と ~/.bash_profile と ~/.bashrc を /etc/skel にコピーするため、 実際には以下のコマンドを入力してください。

    # cp ~/.bash_profile ~/.bashrc ~/.emacs /etc/skel Enter
    



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    最終更新日: 2001/07/01 (森川靖大) Copyright © 2001 EPnetFan