DCRTM インストールガイド

必要なソフトウェア

DCRTM を利用するためには以下のソフトウエアを事前にインストールしておく必要があります.

netCDF (バージョン 3.6.X 以上)

Debian GNU/Linux を使用しているならば, バイナリパッケージを利用することもできます.

ソースからビルドする場合

gtool5 (バージョン 20100924 以上)

Debian GNU/Linux を使用しており, バイナリパッケージを利用する場合は, こちら を参照してインストールしてください.

ソースからビルドする場合

必要な光学データ

DCRTM を利用するためには, HITRAN (HIgh-resolution TRANsmission molecular absorption database) と, 必要に応じて HITEMP (HIgh-TEMPerature molecular spectroscopic database) を事前にダウンロードしておく必要があります.

HITRAN (バージョン HITRAN2008 以上)
計算しようとする大気の温度が 1000[K] 以下であれば, HITRAN2008 (Rothman et al., 2009) または, HITRAN2012 (Rothman et al., 2013) を使用して下さい. 最新版は HITRAN2012 です.
HITEMP (HITEMP2010)
計算しようとする大気に, H2O, CO2, CO, NO, OH を含んでおり, 大気の温度が 1000 [K] を超える場合には, HITRAN に加え, HITEMP2010 (Rothman et al., 2010) を使用する必要があります.

DCRTM では, HITRAN database で指定されている分子の番号順 に必要な分子のデータのみ読み込みます.

ビルドの手引き

TGZ パッケージの展開

適当な作業ディレクトリで以下のようにソースアーカイブを展開します. ソースは dcrtm-バージョン というディレクトリに展開されます.

$ tar xvzf dcrtm_latest.tar.gz

HITRAN/HITEMP database の格納

上記で作成された dcrtm-バージョン ディレクトリと同階層に data ディレクトリを作成し, その中に HITRAN, HITEMP のデータを格納, またはリンクを作成してください.

  • HITRAN, HITEMP database は分子ごとに分かれたファイルを使用します.
  • ファイル名は, 以下のようにしてください
    • HITRAN2012: (分子番号)_hit12.par
      • 例: 01_hit12.par
    • HITRAN2008: (分子番号)_hit08.par
      • 例: 01_hit08.par
    • HITEMP2010: (分子番号)_HITEMP2010.par
      • 例: 01_HITEMP2010.par
      • 1 分子で複数のファイルに分かれているものは, 1 ファイルにまとめてください.
  • ディレクトリ格納例

    .
    |- dcrtm-バージョン
    |- data
       |- 01_hit12.par
       |- 02_hit12.par
       |- 03_hit12.par
       . 
       .

makefile の作成, 編集, コンパイル

DCRTM のコードのコンパイルは, makefile を使用することで行います. makefile の雛形は, dcrtm-バージョン ディレクトリ内にあります.

fortran コンパイラの指定

環境変数 FC (1 行目) に使用する Fortran コンパイラを指定してください.

  • gfortran の場合

    FC = gfortran
  • pgi コンパイラの場合

    FC = pgf95
netcdf のパスの設定

環境変数 NCPATH (3 行目) に netcdf のパスを設定してください.

  • /usr/local/ 以下に lib/libnetcdf.a などがある場合

    NCPATH = /usr/local
gtool5 のパスの設定

環境変数 GTPATH (4 行目) に gtool5 のパスを設定してください.

  • /usr/local/gtool5/ 以下に lib/libgtool5.a などがある場合

    GTPATH = /usr/local/gtool5
オプションの設定

環境変数 FFLAGS (2 行目) はオプションの設定です. お使いのコンパイラで使用できるお好みのオプションを設定してください(設定しなくても問題ありません).

Makefile の作成, コンパイルの実行

環境変数を適切に設定できたら, dcrtm-バージョン ディレクトリ内の Makefile を用いて, コンパイルを実行します.

  • DCRTM のコンパイル

ディレクトリ内に Makefile があることを確認して, コンパイルを実行します.

$ make

パスなどが適切に設定されていれば, 最後に実行ファイル (dcrtm_optdep, dcrtm_flux) が作成されます.

dcrtm_optdep は, opacity 計算用実行ファイル, dcrtm_flux は flux 計算用実行ファイルです.

プログラム実行の手順

コンパイルが成功すると, ディレクトリ内に実行ファイルが作成されています.

これらの実行の手順については ごくらく DCRTM を参照してください.