マックで電脳を使う
最近出張が多く、なかなか落ち着いて計算できないので、出張にも持って行くマックでちょっとした仕事ができないかと考えていました。私は、基本的に計算
をするので、計算とその図示を研究室にいるときとほぼ同じ環境でできれば効率が良いわけです。
計算はUNIXワークステーションでFORTRANを使ってプログラムを書いています。図示は、ずっとNCARGだったのですが、バージョンが上がって以前と大分仕様が変わったのと
ほぼ同時に京都に来たこともあり、最近は電脳を
使っています。
というわけで、マックにFORTRANコンパイラと電脳が載れば、あまり重い計算でなければだいたいのことはできそうです。
- FORTRANコンパイラ
- Freeのコンパイラがパッケージ化されてここか
ら持ってこれます。コマンドとしてはfort77を呼ぶと中でf2cを呼ぶようで、FORTRANをCに自動的に書き直してコンパイルするものらしいで
す。
- 市販のコンパイラには、Absoftの
物があります。いろいろなOSのコンパイラを作っています。マック版は統合環境的に使えるGUIもついています(もちろん、コマンドラインでも使える)。
FORTRAN77,90,95,Debuggerと揃っていますが、高額なことが難点ですねぇ。
- 電脳ライブラリをインストールする
- fort77を使う方法は榎本さんによる解説が
あるので、そちらを参考にしてください。私のマック(OS 10.1.5)には、問題なく入りました。電脳が見えたときには、感動モノです。
- Absoftで使う(2006.02.20改訂)
- しかし、自分のプログラムは、最近ほとんどFORTRAN90で書いています。上の方法だと90は通りませんので、悲しい。
と言うわけで、一念発起してAbsoftのコンパイラを購入し、f90で計算も、お絵書きができるようにしました。
- Absoftのコンパイラは少し癖があるようです。追加ライブラリの指定方法、指定場所など、マニュアルを見ないまましてい
ると良く分かりません
- 普通に電脳のディレクトリで./configure; make; make
installとすると、電脳が作ったライブラリをうまく参照してくれていないためにインストールのフェーズでこけます
- いろいろと試した結果、以下のようにするとうまくインストールできました!
- Absoftのコンパイラが見えるように、pathを通しておく(当たり前ですね)
- 普通に./configureする(ちなみに、私の環境ではgtk, gtk2ともにdisableです)
- Mkincludeファイルの FFLAGS に -YEXT_NAMES=LCS
-YEXT_SFX=_ を追加する。前者は小文字のルーチン名で出力すること、後者はルーチン名に「_」(アンダースコア)を後ろにつけて出力すること
を指定するオプションです。
- これでもAbsoftの仕様が変わったのかwaitという関数が違った意味で2重定義となっている、みたいなメッセ
−ジを出してエラ−となります。ですので、むりやりソ−スコ−ドを変更します:
- 変更対象:src/grph1/swpack/zxpack.c
- 変更内容:定義が重なっている「wait」という名前をすべて違う名前にする。「wait0」や「wait1」
があるが、それらは変更の必要はない。私は「wait」を「waitm」としてやりました。
- あとは普通に、make; make install で使えるようになります。やった!
- 以前は実行するときはsudoで動かさないとpermission
deniedで落ちましたが、今は普通のユ−ザ−でも実行できます。原因は不明ですが、結果オ−ライということで :-)