中層大気の太陽光加熱で駆動する超回転のGierasch-Rossow-Williamsメカニズ ムが、惑星サイズや自転速度を変えることによって、どのように変化するか? この問題を簡略化GCMで調査した研究(Tsunoda Y. et al., 2021)を紹介す る。金星を模した設定で惑星サイズや自転速度を変えた実験によると、ロスビー 数が大きくなるにつれて、効率よく超回転(特に赤道超回転)が発達する。低 ロスビー数(~7.5)では、順圧エネルギー変換が卓越し、自転周期よりも遅いロ スビー波が赤道向きに運動量を輸送する。他方、高ロスビー数(~20)では、順 圧エネルギー変換と傾圧エネルギー変換が交互に出現し、自転よりも短い周期 でロスビー波が変動する。その時、順圧エネルギー変換の出現に関連して、赤 道向き渦運動量フラックスが間欠的に現れる。本研究で見られた大気大循環と 波動のロスビー数依存性が、実際の惑星超回転の違いを定性的に説明できるの か?検討する。 参考 Tsunoda, Y., Yamamoto, M., & Takahashi, M. (2021). Rossby number dependence of Venus/Titan-type superrotation and its related intermittency, J. Geophy. Res.: Planets, 126, e2020JE006637