1.5.10 COMMON文

前述のEQUIVALENCE文が同じプログラムの中の変数を結合させる ものであったのに対し, COMMON文は異なったプログラム単位(メソッド(元サブルーチン)など)の中の 変数同志を結合させるものである.

初期のFORTRANでは引数によるデータの引渡しに時間がかかったため, COMMON文によりメインプログラムから メソッド(元サブルーチン)へデータを引き渡す方法が多用された歴史がある. しかし, 現在ではデータの引渡しに要する時間は, どちらの方法でもほとんど変らない. それより, COMMON文を使うと, どのメソッド(元サブルーチン)で値が代入されているのかわかりにくくなってしまうので, 可読性を高めるという見地から, COMMON文によるメソッド(元サブルーチン)へのデータ引渡はお勧めできない.

電脳ライブラリでも余程特殊な理由(内部の作業領域確保など)がない限り, COMMON文は使用していない. 各メソッド(元サブルーチン)へのデータの引渡は全て引数を使っている.