1.6 透視変換

透視変換とは, 任意の視点から3次元空間を眺めて遠近感を出す変換である. 電能ライブラリにおいては, 3次元V座標系から2次元R座標系への変換を指す.

一般に, この変換では3次元空間上の平行線は投影された2次元平面上では 平行にならない. 視点を無限遠に持っていけば, 平行線は平行線に投影されるが, そのように投影された図形はかえって不自然に感じられる.

透視変換を行なうには, 「視点」「焦点中心」を設定 しなければならない. 視点とは読んで字の通り3次元空間を眺める位置であり, カメラのレンズの位置であると思えば良い. これに対して, 焦点中心はカメラのフィルム上の焦点ではなく, 注目している点, すなわち視点から「見つめる点」である. この視点と焦点中心を結ぶ線が「視線」 である.

透視変換によって 3次元図形の各点は, その点と視点を結ぶ線が 「投影面」と交わる点に投影される. 地球流体電脳ライブラリでは, 投影面は焦点中心を通り, 視線に垂直な面である.

2次元座標系の場合, 2次元のV座標系を3次元のV座標系の1平面に割り付ける ことで, 透視変換が可能になる. この際に割り付けることができる平面は, 3次元 X, Y, Z 座標軸のいずれかに 垂直な平面であり, 斜めの面に割り付けることはできない. (斜めに見るには視点を動かせば良い)