1 はじめに

地球流体電脳ライブラリ(DCL)は, 地球流体電脳倶楽部が長年にわたって開発・ 整備してきたものです. 我々は, このライブラリが多くの人に使われ, 地球流 体力学の発展に寄与することを願っています.

DCLは機能によっていくつかの部分に分かれていますが, 「ごくらくDCL」では グラフィクス部分だけを解説しています. DCLグラフィクスではメソッド(元サブルーチン) を数行呼ぶだけで, 折れ線図や等高線図などさまざまな作図が簡単にできます. ここでは特に初心者を念頭に置いて, サンプルプログラム(FORTRAN)と実行結 果のグラフを中心に, とりあえずどうすればイメージした図が出力できるかを わかりやすく解説しましょう. まず, 第1章で基本操作を解説し, つぎの第2・ 3章で, 描画の基本概念を説明していきます. さらに, 第4〜6章では, 「おまかせ」で一次元データや二次元データを描いたり, 図の割りつけをする パッケージを紹介します. 描きたいグラフを思い浮かべて, 該当するところの 解説を読むだけで, すぐにお望みのグラフが得られることでしょう. サブルー チンの一覧表を付録につけます. ライブラリの全体像をつかんだり, 個々の説 明ページを見つけるのに便利かと思います.

「ごくらくDCL」の内容をマスターした頃には, きっといろいろな不満が湧い ていることでしょう. 文字や記号を書き込みたい, 折れ線のパターンが気に入 らない, 座標軸のスタイルを変えたい, 欠損値処理をしたい, 色とりどりの図 にしたい, …,. DCLグラフィクスはこのような要望にも応えられるパッ ケージの数々を用意しています. 「ごくらくDCL」は卒業してDCLグラフィクス を基本からじっくりと学びたい方は, 姉妹編「らくらくDCL」を御覧下さい。 また、それぞれのパッケージのマニュアルを通読してみることもたいへん有意 義なことでしょう.