第二種の条件付き不安定 (CISK)


条件付き不安定の状態で, 未飽和の大気に対流運動を起こすためには, 大きな力がいる. 台風が発生する熱帯の大気は一般に未飽和である.

台風は境界層内で湿った空気を中心に集めてくると同時に, その収束によって中心付近の空気隗を大気が飽和するレベルまで押し上る. そこまで行くと条件付き不安定の条件を満たすので, 大気は浮力を得て上昇し気圧を下げる. これにより,台風の渦が強くなり, さらに境界層内の収束を強化する.

このように,小さなスケールでは不安定にならない状態を, 大規模な渦巻との相互作用で不安定化させる現象を 第二種の条件付き不安定 (Conditional Instability of Second Kind) と呼ぶ.