中低緯度の海の多くの場所では, 深海の水は海面近くの海水によりも低温で塩分濃度が低い. もちろん,深海の海水の方が密度は高く,安定な成層をしている.

そのような深海の水をくみ上げて, 海面の温度にならすと,塩分濃度が低いぶんだけ軽い海水ができる.

ということは, 金属のパイプを海中に立てて, その中に深海の水を引き入れると, あとは自動的に

永久噴水

ができる 1). これは, 金属のパイプが熱を外から中に伝える一方で, 塩分の侵入を防ぐために起こる現象である.