次に,丸棒を水面から半分沈めて右から左に動かしてみよう. 水面付近には波面が垂直に近い波, すなわち,ブラントバイサラ振動数に近い波ができる. この波の群速度は0なので山が通ったところから遠くに伝わることはできない. 深いところに伝わる波は,もっと周期の長い波である.

この実験では,実験の容易さを考えて, 水面で丸棒を動かしたが, 内部重力波は上下対称なので, 半円状の棒を底面で動かしても同じことが起こる. つまり,この実験を逆さまにして, 棒と一緒に動く座標系で眺めると, 成層大気中で

山の風下にできる波

とみることができる. このような波を山岳波という.