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石油はあと何年利用できるか ?:  2. 石油のモデリング
鈴木徳行 
北海道大学 大学院理学研究科 地球惑星科学専攻
suzu@ep.sci.hokudai.ac.jp
 
[講演ビデオ (前半)]
 
 
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目次
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石油の反応モデル
 
-  ケロジェンがオイルとガス, コーク (石油からできる個体物質) に変化する
 -  ケロジェン量の変化は簡単な一次反応速度式
   dx/dt = - kx  
   k = A exp [-E/RT(t)]
 
を用いてモデル化. x はケロジェン量, k は速度定数, E 
は活性化エネルギー, R は気体定数, T(t) は温度を表す.
  
オイルからガスへの変換は C-C 結合切断の 1 反応を考慮.
  
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石油を出しそうな岩石を加熱し, 出てきた物質量を計測
 
-  岩石を粉末状にして加熱 
 -  横軸は温度, 縦軸は相対的な量を表す.
 -  低温側のピークは揮発性の液体, 
     高温側のピークはケロジェンの熱分解に相当する.
 -  高温側のピークについて調べる
  
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高温側のピーク(ケロジェンの熱分解)の詳細を調べる
 
-  実験で得られた曲線を, 複数の一次反応式の組合せで説明できないか
     どうかを考える. 
 -  下段の複数の曲線は異なる E に対応する. 右側ほど E は大きい.
  
K1 → O1 + G1 + C1 [E1] 
K2 → O2 + G2 + C2 [E1] 
K3 → O3 + G3 + C3 [E1] 
 
という反応を考える. 以下ではオイルとガスは一緒に考える. 
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タイプ I ケロジェンを加熱した結果
 
-  温度上昇速度を変えて実験
 -  温度上昇速度が遅いほど, 低い温度で反応が始まる
 -  実線は実験値, 破線はモデル計算
  
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タイプ II ケロジェンを加熱した結果
 
-  温度上昇速度を変えて実験
 -  温度上昇速度が遅いほど, 低い温度で反応が始まる
 -  実線は実験値, 破線はモデル計算
 -  タイプ I に比べ各ピークの幅が広い
  
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タイプ III ケロジェンを加熱した結果
 
-  温度上昇速度を変えて実験
 -  温度上昇速度が遅いほど, 低い温度で反応が始まる
 -  実線は実験値, 破線はモデル計算
 -  タイプ I, II に比べ複雑な曲線となる
  
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実験を再現できるようなケロジェンの活性化エネルギーの分布
 
-  横軸に活性化エネルギー(Kcal/mol), 縦軸は頻度(割合)
 -  タイプ I は少ない反応で説明できる
-  C-C 結合を切断するのに必要な活性化エネルギーに対応
  
 -  タイプ III の分解には複数の反応が関与
-  タイプ III の 2 重ピークはあまりよく再現できない.
  
  
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堆積岩の熱史
 
-  横軸は年代, 縦軸は温度 (破線) 
 -  現在観測される温度の深さプロファイルと熱流量の進化モデルをもとに,
     過去に堆積した岩石の熱史 T(t) を復元する.
 -  得られた T(t) をもとに反応式を計算する
  
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[講演ビデオ (後半)]
 
 
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SIGMA-2D
 
-  石油の生成・移動・集積モデル
 -  石油公団が 1990 年代中葉に作成
 -  現在は 3D で計算
  
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WinMat 
  
-  石油公団作成の教育・研究ソフトウェア
 -  鉛直 1 次元の岩石コラム中のオイルとガスの生成量をシミュレート
  
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参考文献
 
2003-04-22 Odaka Masatsugu
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