森羅万象学校 2001

微生物学入門

山本 啓之
2001 年 9 月 11 日
講演ビデオ[1]
講演ビデオ[2]

微生物学の対象とする生物
  • 原核生物
    • 遺伝子が細胞中に浮いている
    • 細菌(バクテリア)と古細菌

  • 真核生物
    • 遺伝子が核に収められている
    • 細胞内小器官を持つ
    • 菌類(真菌)と原生動物(原虫)

  • ウイルス
    • 遺伝子を持つが細胞を持たない感染性粒子
    • 細胞は水を含む. ウイルスは水を含まない.
    • 複製を作るが代謝はしない.

  • プリオン
    • 遺伝子を持たない感染性のタンパク質分子 (?)
    • 生物とは呼ばない. 複製も代謝もしない. (例えば恐牛病)


バクテリアの例
  • 平均的には 1 μm スケール
  • 左上) ?
  • 左下) 環菌
  • 右上) 連鎖球菌
  • 右下) ?


バクテリアの例(2)
  • ヒトの口内バクテリア


バクテリアの例(3)
  • ヒトの口内バクテリア


バクテリアの例(4)
  • マクロファージ


バクテリアの構造
  • 細胞壁が厚いもの
  • 細胞壁の薄いもの
  • 細胞壁のないもの
  • プラスミドという遺伝情報を分担する部分がある


アメーバ(原生動物)
  • サイズは μm スケール
  • 捕食能力を持つ (細胞に固形物を取り込むことができる)
    • 原核生物では消化酵素を放出し, 溶けた物質を取り込む.
      細胞に固形物を取り込むことはできない.




アメーバの例


線毛虫 (原生動物)
  • サイズは 1 mm スケール
  • 口の場所が決まる


細胞からみた真核生物への進化
  • 古細菌を母体とし, ミトコンドリアと葉緑体を取り込んで真核生物となったらしい.
  • 共生進化


バクテリアの生活


バクテリアの観察
  • 寒天培地のコロニー


バクテリアの観察
  • 人間の手の付着したバクテリア


温泉細菌の場合


細胞成分の化学分析方法
  • 細胞膜成分を使う: こわれにくい. 細胞の有無を確認するのによい.
  • 呼吸鎖キノンを使う: こわれやすい. 現在活動している細胞を検出するのによい.


遺伝子による生物の進化系統樹
  • 現在生きている生物から決定したもの.


生物の分類体系


遺伝子情報による系統分類
  • 16S rRNA を使って分類
  • 真核生物は 18S rRNA を使う


分類の実際
  • 種として遠近しか判断できない.


いろいろな系統樹
  • 並べ方には任意性が出る.


rRNA による分類
  • 古細菌が真核生物に付着していることはほとんどない.
  • 古細菌は「古くない」. 歴史的事情による名称.


遺伝情報の転写にともなう突然変異
  • 塩基配列では変異があっても表現形質の変異がない場合を, 「サイレントな変異」と呼ぶ.
  • ダーウィン的進化は表現形質の変異 (目で見える変異) を指す.
  • 塩基配列の転写間違いは世代交替時にしか起こらない.


バクテリアの場合: 遺伝子の獲得と突然変異
  • プラスミド内の遺伝子は他の細胞 (バクテリア) と交換可能
    • 生命維持のための基本となる遺伝子は移動しにくい
  • 他のバクテリアと遺伝情報を交換して, 自然選択に優位性を持たせる.


地球生態系における生物群集の基本構造
  • 食物連鎖 (古典的経路)
  • 微生物ループ (有機物・無機物)
  • 生物を経由した物質循環の全容を明らかにすることは容易ではない.


感染症が増加する環境要因


生態系の模式図


系統樹 (詳細)


バクテリアの構造の違い


感染症を引き起こすウイルスの挙動


Odaka Masatsugu 2001-09-11