本ドキュメントは DNS サーバにおいて ssh を用いるための手引である.
専攻サーバでは, ネットワークを利用した遠隔操作を行う場合,
SSH を用いることを推奨している.
それは, パスワードを含む全ての通信内容が暗号化されるからである.
特に, DNS サーバは管理者グループのみがログイン可能であり,
一般のユーザにはアカウントを作成していないため,
telnet や ftp といったパスワードが平文で
ネットワーク上を流れてしまうようなサービスをする必要は無い.
原則的には, 全ての通信を ssh によって行うべきである.
また, もう一つの理由として, ユーザ/DNS 管理システムとして
用いている gate-toroku-system
が, そのデータベース転送において ssh を利用していることが
挙げられる.
gate-toroku-system が ssh を用いている理由は,
上記と同様である.
Debian GNU/Linux 3.0 -woody- では, 旧来の SSH1 に加え,
さらにセキュアになった SSH2 プロトコルが標準装備されるようになった.
2003年度以降の専攻サーバでは, OS のバージョンを 3.0 に挙げると共に
SSH2 プロトコルもサポートする.
なお, 旧来の SSH1 プロトコルも従来どうりサポートする.
(SSH2 の方がセキュアなのだが, まだ SSH2 をサポートしていない OS
も多々あるからである.)
以下のパッケージをインストールする.
パッケージ |
解説 |
ssh |
ssh を用いるためのパッケージ.
これをインストールするだけで, クライアントとして ssh を用いることが
できるだけでなく.
サーバとして sshd (ssh デーモン) を起動してリモートからの
ログインを受け付けることが可能になる.
|
- /usr/bin/ssh に s ビットを立てるかどうか?
gate-toroku-system で利用するにあたり,
ssh には s ビットが立っている必要がある.
よって Yes と答える.
なお, うっかり No を答えてしまった場合は後で chmod コマンドを
使用して s ビットを立てておくこと.
- ssh2 のみを使用可能にするか?
ssh1 のサポートも行うので No と答える.
なお, Yes と答えてしまった場合は後で sshd の設定ファイルである
/etc/ssh/sshd_config
のしかるべき場所を
設定しなおす必要がある.
sshd (ssh デーモン) の設定ファイルは
/etc/ssh/sshd_config
である.
以下では, この設定ファイルを編集する.
なお, 詳しくは sshd_config(5) のマニュアルを参照して欲しい.
# vi /etc/ssh/sshd_config
SSH1 を用いるか SSH2 を用いるかは Protocol によって
決められる.
以下のようにすると SSH1 と SSH2 の両方がサポートされる.
なお, 使用される優先順位だが, クライアントサーバがと両方 SSH2
対応であれば, まず SSH2 が用いられる.
Protocol 2, 1
Debian GNU/Linux 3.0 -woody- からは ssh による X 転送が
デフォルトでは禁止されるようになった.
X 転送を許可したいのであれば設定ファイルの
X11Forwarding を以下のように変更する必要がある.
なお, これは管理者の好みなので自由にしてもらいたい.
X11Forwarding yes
以下では, ssh の使い方に関して簡単に説明する.
詳しくは ssh(8) のマニュアルを参照して欲しい.
$ ssh [ホスト名] -l [ユーザ名]
リモートのホストに ssh を用いてログインする.
当然リモートのホストには 1) [ユーザ名]
のアカウントが作成されており,
2) sshd が動作している,
必要がある.
例) ssh www.ep.sci.hokudai.ac.jp -l hogehoge
$ ssh -X [ホスト名] -l [ユーザ名]
-X オプションを付けることにより, X 転送を
可能にする.
ログイン後, emacs や xeyes などを起動してみると効果がわかるだろう.
なお, サーバ側はX 転送許可を
与えておく必要がある.
リモートホストのファイルをローカルにコピー
# scp [ユーザ名]@[ホスト名]:[ファイル名] [コピー先のパス]
ローカルのファイルをリモートホストにコピー
# scp [ファイル名] [ユーザ名]@[ホスト名]:[コピー先のパス]
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ssh を用いて, ftp のようにファイルの転送を行うことも出来る.
上記のように scp コマンドを用いる.
例1) ssh hogehoge@www.ep.sci.hokudai.ac.jp:/home/gate/gate-toroku-system.tar.gz /home/hogehoge/
例2) ssh /home/hogehoge/test.pdf hogehoge@mail.ep.sci.hokudai.ac.jp:/home/hogehoge/